削除仮処分

内容

  • 削除のための裁判手続
  • 手続の流れと期間の目安
  • 裁判所の管轄
  • 供託金が必要

手続の概要

削除仮処分は,レビューを仮に削除してもらうための手続です。民事訴訟法の建前では,続けて削除請求訴訟をする前提になっており,削除請求訴訟の判決が出るまでの間,「仮に」削除しておくという制度です。
ただし,インターネットの削除請求事案では,削除請求訴訟はほとんど利用されないため,事実上,削除仮処分だけで終わりになっています。

手続の流れ

申立て裁判所に削除仮処分の申立てをします。
数日
債権者面接東京地裁の場合は,申立人(債権者)の言い分を聞く手続があります。主張に不備があれば訂正などを求められます。
呼出グーグルを米国から呼び出す手続です。
2~3週間あけれられます
双方審尋同席のうえグーグル(債務者)の反論を聞く手続です。1~2週間おきに主張と反論を何度か繰り返します。
少なくとも1~2か月はかかります
担保決定裁判官が削除相当だと考えた場合は,担保の供託を指示されます。
1日以内
発令削除決定書がグーグル代理人に送られます。
2~3週間程度
削除米国のほうで,対象レビューが削除されます

裁判所の管轄

削除仮処分は,個人であれば住民票の住所地,法人であれば本社所在地を管轄する裁判所に申立てをします。ただし,法人の支店に関するレビューや個人の勤務先に関するレビューの場合は,当該支店,勤務先を管轄する裁判所へ申し立てることもできます。

供託金について

裁判官が削除相当だと考えた場合は,削除決定の発令のために,担保の供託を指示されます。一般的には30万円で,これを法務局に供託し,供託証明を裁判所に持っていくと,削除決定書が作られ,債権者と債務者に送達されます。
供託金は,民事訴訟法の建前では,削除請求訴訟をして勝訴すると戻ってくることになっていますが,訴訟をせず,削除後に取戻手続をすることもできます。ただし,訴訟をしない場合,債務者は,仮処分決定で削除したものを復活させてもよいことになっています。
取戻の期間は,早くて3か月,米国への送達手続をする場合は1年程度かかります。

削除が認められない場合

裁判官が削除すべきでないと考えた場合は,仮処分申立を取り下げるように勧告されるか,却下決定が出されます。
却下決定となった場合は,即時抗告という手続により,高等裁判所へ異議申立することができます。高等裁判所でも認められなかった場合は,最高裁への道も用意されていますが,事実上,最高裁では判断してもらえないと考えておくのが良いでしょう。