カリフォルニアでの開示請求

内容

  • ディスクロージャー制度
  • 日本の発信者情報開示請求との違い(どんな場合に利用するのか)
  • 実際の利用事例

手続の概要

米国での手続は,「日本の裁判所で投稿者を訴えるのに必要な情報だから」という理由で,米国企業に情報開示を求める制度です。もちろん裁判手続ですので,米国の裁判官が開示請求を認める必要があります。
日本では,開示仮処分だけでも数か月かかりますが,米国の手続では,早ければ申立ての翌日にも開示命令が出るケースもあります。
開示命令が出たあと,グーグルがアカウント保有者に意見照会(期間は20日程度)をして,何も意見がなければ開示されます。
Twitterに同じ手続をした際には,例外なく異議申立(motion to quash)をされていますが,今のところグーグルから異議申立をされたことはありません。

接続プロバイダのログ保存期限が過ぎていたケースでの利用

日本の接続プロバイダ(携帯電話会社など)は,通信記録(ログ)を3か月から6か月程度しか保存していないため,グーグル本社を相手に発信者情報開示請求をしても,IPアドレスが開示された時点ではすでにログ保存期限が過ぎていて,プロバイダに対し,住所氏名の開示請求訴訟ができなかった,という例は多数あります。
その点,米国の手続なら,グーグルが情報を持っている限り,開示してもらえる可能性があります。ただし,グーグルが持っている情報に限られますので,通常,住所・氏名は開示されません。一般には,メールアドレス,リカバリ用メールアドレス,SMS用アドレス,アカウント作成時のIPアドレスとタイムスタンプなどが対象となります。
このうち,リカバリ用メールアドレスが携帯電話会社のメールアドレスであれば,携帯電話会社への照会により,契約者情報を得られる可能性があります。SMS用アドレス(携帯電話番号)も同様です。
アカウント作成時のIPアドレスが,まだログ保存期限内であれば,これをもとに接続プロバイダへ開示請求訴訟をすることもできるため,最初から日本での開示請求と米国での開示請求を並行して実施することも有効です。

利用事例

  • 投稿から1年経過していた歯科:携帯電話番号が開示されました
  • 同じ時期に★1のレビューが複数投稿された歯科:携帯電話番号が開示されました
  • レビューに該当する患者がいなかった皮膚科:携帯電話番号が開示されました

効果が期待できる事例

日本の裁判所で発信者情報開示仮処分をして、開示決定が発令されたにもかかわらず、ログ保存期間や接続先IPアドレスの問題で投稿者を特定できなかったケースでも、投稿者特定の可能性が残っていますので、検討してみるとよいでしょう。